TEDで学ぶ組織行動論(17)テレサ・アマビール 「小さな進捗の力」

TED Conferenceとは、TED(Technology Entertainment Design)が主催している講演会で、学術・エンターテイメント・デザインなど様々な分野の人物がプレゼンテーションを行なう場です。講演会の内容はインターネット上で無料で動画配信されており、多くの著名な人物もここでプレゼンテーションを行っています。


今回は、TEDのプレゼンテーションに学ぶ組織行動論(17)として、ハーバード大学などで社会心理学の視点からクリエイティビティの研究に携わってきたテレサ・アマビール氏の「小さな進捗の力」を紹介します。アマビール氏は「「マネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力」(原題:The Progress Principle: Using Small Wins to Ignite Joy, Engagement, and Creativity at Work)の著者の一人です。


アマビール氏は、自らの一連の研究の結果分かったこととして、人々が仕事において高いエンゲージメントを示し、もっとも創造的かつ生産的でハッピーになれるのは、「有意義な仕事において、小さくてもよいので進歩(前進)を実現できている状態」であるとします。これは、言われてみれば簡単なことだと思われますが、実際の職場においてなされているかというと、意外となされていないように思われます。働く人々のエンゲージメントが低く、ハッピーでない状態では企業業績も向上しません。従業員に対してやりがいのある仕事を与え、その仕事において毎日少しでも前進していることを実感させるためのサポートを積み重ねることで、企業業績に大きな差が出ることを論じます。