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iPS細胞方式の日本型雇用とそれを支えた女性労働モデル

戦後の高度成長期を支えたのが、日本の社会システム全体と一体化するかたちで確立した日本的雇用システムです。濱口(2021)は、日本の大企業を中心に運用されてきた日本的雇用システムを特徴づけるのが、雇用契約上で職務が特定されず、雇用の本質が職務では…

日本企業の競争力を支えた戦後日本型循環モデルの成功と劣化

第二次世界大戦後の日本は、戦後復興と高度経済成長という奇跡を謳歌し、その経済成長を支え、高品質な製品で世界の市場も席巻した日本企業の競争力、とりわけ雇用や人的資源管理のあり方は世界からの称賛の眼差しで迎え入れられました。これは、日本全体に…

高度成長期に「完成」した日本型人事管理モデル

森口(2013)は、いわゆる日本的人事管理モデルは、製造業大企業を中心に、第一次世界大戦から高度経済成長期にかけて、半世紀にわたる労使の攻防と協調の中で次第に形成されてきたのだと説明します。また、その形成過程は、経済合理性に導かれつつも、急速な…

学校社会の特徴を色濃く反映する日本企業

日本的な人事や労務慣行は、世界的に見ても特殊な特徴を有しています。例えば、長期安定雇用を前提とする新卒一括採用や、企業内でのジョブ・ローテーション、年功序列的な賃金・昇進、企業内労働組合などが挙げられます。そして、これら日本企業の特徴は、…

1940年体制史観で紐解く日本的人事管理

日本企業の人的資源管理はどのようにして形成され、なぜそれが世界的にも優れた企業競争力の獲得につながったのでしょうか。これに関して、野口(2015)は、「戦後の民主主義改革が経済の復興をもたらし、戦後に誕生した企業が高度成長を実現した」とする通説…

日本的人的資源管理「サラリーマン・モデル」はどのように形成されたのか

日本の人事管理は世界的にみても独特な面を持っています。その1つが、「新卒採用」と「終身雇用」がセットになった、いわゆる「サラリーマン・モデル」です。菅原(2014)によれば、このような日本的雇用システムは、学校を卒業すると同時に就職し、1つの会…

明治維新のリーダーシップと柔構造組織

リーダーシップや組織を語る上でしばしば議論になるのは、日本の強みを生かしたリーダーシップや組織とは何かという視点です。確かに、個が強い欧米の「肉食系」のリーダーシップに脚光が当たりがちな反面、日本のリーダーシップや組織が軟弱に見えますが、…

日本の人事部はどう発展してきたのか

経営のグローバル化など環境が変化する中、日本企業の人事部の存在意義と役割が問われています。とりわけ、終身雇用、年功序列、企業内労働組合のように世界的に見ても特徴的な雇用システムを持つ日本企業が、経営をグローバル化させ、国境をまたぐかたちで…

日本的経営の原型は天皇制にあるのか

日本的経営といっても様々な要素がありますが、その中でもいわゆる「みこし経営」について考えてみましょう。欧米における企業経営がトップダウンなのに対し、日本企業はボトムアップであるといわれることがあります。別の言い方をすれば、日本企業の経営ト…

日本的組織・人事の成功要因

過去、日本的経営の3種の神器として「終身雇用」「年功序列」「企業内労働組合」を指摘したのは、ジェームズ・アベグレンでした。しかし、これらのように過去の日本企業の強さを支えた特徴が、機能不全を迎えていることは多くの識者によって指摘されてきま…