2019-01-01から1年間の記事一覧

リーダーの物理的な立ち位置に文化差はあるのか

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リーダーやリーダーシップには、牽引するという意味合いがあるため、とりわけ西洋的な発想だと、リーダーとは集団の先頭に立ち、集団を率いる人だというイメージがあることでしょう。しかし、Menon, Sim,Fu, Chiu, & Hong (2010)は、アジアなどでは、集団を…

採用や就職活動でもっと内発的モティベーションを強調すべき理由

就職活動において、求職者は自分の長所をアピールしてよい就職先を勝ち取りたいことでしょう。同様に、採用活動において企業はいかに自社が魅力的な職場であるかをアピールして優秀な人材を獲得したいことでしょう。自分の長所を売り込む際の2大ポイントと…

ワーク・エンゲージメント革命は何故起こったのか

日本の人事の実業界では、戦後高度成長期の年功序列型人事から、バブル崩壊後の成果主義ブームを経て、近年の働き方改革やプレミアムフライデー運動と歩調を同じくして、ワーク・エンゲージメント革命が進展しつつあるように見えます。ワーク・エンゲージメ…

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を実現するためのベストプラクティスとは

近年は、企業経営におけるダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の重要性が世界的に強調されるようになってきました。しかし、日本ではまだまだ、ダイバーシティ&インクルージョンは進んでいないようにも見受けられます。今回は、ダイバーシティと比べる…

多文化チームの創造性を促進する多文化インサイダーと多文化アウトサイダー

多国籍チームや多文化チームと聞くと、様々な国籍の人々が集まったチームであると単純に考えてしまわないでしょうか。しかし、忘れてはいけないのが、多文化人材です。例えば、確かに、多文化チームと言えば、日本人、アメリカ人、ドイツ人、中国人、アルゼ…

逆境に強いレリジエントな組織とは:組織内地理学的アプローチ

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近年、経営学においてレジリエンスという言葉に注目が寄せられています。日本語で言えば、弾性、回復力、しなやかさ、粘り強さといったところでしょうか。要するに、逆境に対してポキっと折れてしまわない力だといえましょう。組織レベルでの話をすれば、衝…

事業アイデアの創造的改訂プロセスを左右する「心理的オーナーシップ」と「創業者のアイデンティティ」

新規事業を創造していく上で、創業者のオリジナルな事業アイデアは大変重要ですが、それだけでは成功にこぎつけません。新規事業の創造に携わっていく中で、創業者は利害関係者(投資家や潜在顧客など)から様々なフィードバック(批判、改善提案など)を受…

「透明性の錯覚」が人事評価でのネガティブ・フィードバックを阻害する

人事評価(人事考課、人事査定、業績評価)の目的の1つは従業員のパフォーマンスの向上です。この目的を実現するためには、評価後の面談などを通じて評価結果を本人に正しくフィードバックすることが重要です。フィードバックによって従業員の職務遂行にお…

ライバル企業に移籍した社員の心理と行動をアイスホッケーのデータで理解する

企業は人で成り立っています。企業にとって人材は命であり、企業競争力を大きく左右するのも人材です。しかし、企業はすべての人材を新卒採用から内部で育てていくわけにはいかず、優秀な人材を外部から引き抜くという手段も取らざるを得ません。とりわけ、…

シェアード・リーダーシップの本質

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リーダーシップと聞けば真っ先にイメージされるのが、組織やチームのメンバーよりも一段上にたった1人のリーダーが組織やチームをリードする(引っ張っていく)様子ではないでしょうか。これを伝統的なリーダーシップだとするならば、それに加えて今後ます…

組織やキャリアにおけるアイデンティティ・ワーク

組織行動論やワークキャリア論において近年脚光が当たっている概念が「アイデンティティ・ワーク」です。Caza, Vough, & Puranik (2018)による文献展望によれば、組織場面や職業場面でのアイデンティティ・ワークとは「社会的文脈における集団的、役割的、個…