2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

経営戦略論におけるネットワーク的視点の重要性

経営戦略論において最も人気のあるフレームワークは、ポーターのポジショニング・モデルと、バーニーのリソース・ベースト・ビュー(Resource-based view)でしょう。ポジショニングモデルは、業界構造の中で自社がどこに位置取るかが、競争優位性を獲得するう…

企業の非多角化(選択と集中)行動と証券アナリストとの関係

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アメリカではかつて、企業の事業多角化がもてはやされた時代があります。それに伴い、M&Aによって事業を切り売りしたり買収することがブームとなりました。それに対し、1980年代から90年代にかけては、多角化の解消による選択と集中、本業回帰の動きが増加し…

企業と「ご意見番」とのネットワークの重要性

一般的に、市場というと、商品やサービスを売る企業と、製品を買う顧客との交換関係として理解されがちです。しかし、商品やサービスによっては、顧客にとって品質を見極めるのが難しい場合があります。その場合、企業と顧客の間に、鑑定人、ご意見番、批評…

ネットワーク組織が普及しない条件

組織がアライアンスを組むなどネットワークでつながることのメリットはさまざまなものがあります。日本では、過去には財閥があり、現在でも系列や企業集団は一般的に存在し、組織間ネットワークを形成していることのメリットを享受しているといえましょう。…

ネットワーク組織の優位性

現代は、ネットワークの時代といってもいいかもしれません。それと呼応するように、ネットワーク組織(あるいは、ネットワーク型組織形態、組織間ネットワーク)という言葉もあります。直観的には、官僚制組織や純粋な市場経済とは一線を画す組織構造のよう…

市場の不確実性と企業のネットワーキング行動

企業が活動している市場においては、さまざまな不確実性に直面します。企業が不確実性に直面すると、不確実性を低減させようと行動します。経済学における取引コスト理論によれば、市場の不確実性が高まれば、市場における取引コストが増大するので、企業は…

ネットワークの構造的空隙効果対ステイタス効果

社会ネットワーク理論は、個人や組織が、自分にとって有利なネットワークを築くことによってさまざまなメリットや優位性が得られると示唆します。しかし、とりわけ市場経済のもとで活動する個人や組織にとって、いったいどのようなネットワークを構築するの…

つながりによって生み出される「ステイタス」

多くの学生が一流企業に就職したい理由は、そうすることによってステイタスが得られるからでしょう。同様に、一流大学に入学したいと思うのも、就職などに役立つステイタスが得られるからでしょう。このように、ネットワーク理論の視点からみると、ステイタ…

社会ネットワークの本質

クリスタキスとファウラー(2010)は、どんな規模のものであれ、社会ネットワークには2つの基本的性格があるといいます。1つ目は「つながりの構造」です。つまり、ネットワークを構成するとき、そこに含まれる人々をつなぐ絆には特定のパターンがあるといいま…

一流企業とセレブ企業はどう違うのか

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近年の組織論や戦略論では、企業の競争力を生み出す重要な資産として「無形資産」に注目します。たとえば、製品ブランドは、企業の売り上げや利益に貢献する無形資産であると考えられます。Pfarrer, Pollock & Ridova (2010)は、「企業の評判(reputation)」…

ネットワークの中心とはどういうことか

私たちの社会や組織をネットワークの視点で見るときに、直感的に重要だと思われる概念が「中心性」です。たとえば、自分がネットワークの中心にいれば、さまざまなメリットが得られ、他者よりも有利になると考えるでしょう。しかし、ネットワーク理論におけ…

組織論におけるネットワーク分析の視角

Zaheer, Gözübüyük & MILANOV (2010)は、組織論におけるネットワークの分析視角を、2者間(ダイアド)レベル、自己中心的(エゴ)レベル、ネットワーク全体のレベルに分類しています。ここでいうエゴというのは、自己中心的な性格という意味ではなく、特定…

組織論の新たな地平としてのネットワーク理論

近年、組織論の世界で急速に発展しているのが、ネットワークの視点です。一言でいうと、「ネットワーク」というレンズを使って、組織内で起こっている現象や、組織の振る舞い、組織間関係などについて理解していこうとする考え方です。 ネットワークの概念は…