2016-01-01から1年間の記事一覧

アテンション・ベースト・ビューとは何か(「選択的注意」が企業を動かす)

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戦略論・組織論における「アテンション・ベースト・ビュー(The attention-based view of the firm)」とは、ウィリアム・オカシオが体系化した企業行動を説明するための理論であり、「限定された合理性」を基軸としたハーバート・サイモンやジェームズ・マ…

「おまじない」が業績を高める科学的証拠

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大勢の前でプレゼンテーションをしなければならないとき、大切な商談を自分が仕切らなければならないときなど、私たちはしばしば大きな緊張や不安を強いられる中で仕事をしなくてはならない場面に遭遇します。オリンピックの本番で失敗してしまう選手に代表…

場当たり的な採用面接は役立たないどころか害になる

HRM

学術的・科学的アプローチを重視する採用学では、採用面接において、あらかじめ質問を標準化して設定しておく「構造化面接」の優位性が実証されており、事前に質問内容を標準化したりすることなく、状況に応じて場当たり的な質問を投げかける「非構造化面接…

TEDで学ぶ組織行動論(14)エイミー・カディ 「ボディランゲージが人を作る」(日本語字幕付き)

TED Conferenceとは、TED(Technology Entertainment Design)が主催している講演会で、学術・エンターテイメント・デザインなど様々な分野の人物がプレゼンテーションを行なう場です。講演会の内容はインターネット上で無料で動画配信されており、多くの著名…

TEDで学ぶ組織行動論(13)アダム・グラント 「独創的な人の驚くべき習慣」(日本語字幕付き)

TED Conferenceとは、TED(Technology Entertainment Design)が主催している講演会で、学術・エンターテイメント・デザインなど様々な分野の人物がプレゼンテーションを行なう場です。講演会の内容はインターネット上で無料で動画配信されており、多くの著名…

シグナリング・ゲームとして理解する採用マーケットのダイナミズム

HRM

毎年、企業は優秀な人材を獲得するための採用活動に苦慮しています。同様に、求職者側もより良い企業に就職できるよう対策にいそしんでいます。採用学では、企業は科学的な手法を用いて優秀な人材を獲得できる採用手段を開発すべきであることを示唆します。…

人材マネジメントの水平分業

ビジネスの世界では、垂直統合と水平分業という言葉があります。垂直統合は、川上から川下までを1つの組織に取り込むことを指し、従来の日本の大手電機メーカーの組織がその代表例です。それに対し、世界的なトレンドとして起こっている水平分業は、それぞ…

日本が「マーケティング後進国」なのはなぜか

日本企業のマーケティング力はどれだけ優れているのでしょうか。そもそも「マーケティング」とは何でしょうか。私が大学生として就職活動をしていた頃、「マーケティング」という響きに一種の憧れをいだきながらも、入社後に具体的にそのような部署に入り、…

日本の企業組織の本当の強みはどこにあるのか

とりわけ1980年代までにおいては、世界中で日本的経営に対する憧れや関心が研究の的となっていました。しかし、バブル崩壊および失われた20年という時期においては、日本的経営への関心は薄れ、その代わりに中国などの新興国に経営学の関心が大きくシフトし…

高度成長期に「完成」した日本型人事管理モデル

森口(2013)は、いわゆる日本的人事管理モデルは、製造業大企業を中心に、第一次世界大戦から高度経済成長期にかけて、半世紀にわたる労使の攻防と協調の中で次第に形成されてきたのだと説明します。また、その形成過程は、経済合理性に導かれつつも、急速な…

学校社会の特徴を色濃く反映する日本企業

日本的な人事や労務慣行は、世界的に見ても特殊な特徴を有しています。例えば、長期安定雇用を前提とする新卒一括採用や、企業内でのジョブ・ローテーション、年功序列的な賃金・昇進、企業内労働組合などが挙げられます。そして、これら日本企業の特徴は、…

ナルシシストが他者からのアドバイスに耳を貸さないというのは本当か

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一般的に人々は、他者からアドバイスをもらい、それを活用することでより良い意思決定ができます。しかし、企業の経営者や管理者がナルシシスト(ナルシスト)である場合はどうでしょうか。ナルシシズム(自己愛)とは、自分自身の知性や魅力、能力が優れて…

企業は「スター社員」をどのように理解し、どのように活用すればよいのか

企業に対して並々ならぬ価値をもたらす「スター社員」「エース社員」「看板社員」などと呼ばれる社員の存在は、企業業績に大きく影響します。業界によっては、少数のスター社員が企業収益の大半をたたき出すことさえ考えられる時代です。したがって、スター…

なぜ成果主義賃金を好む国と嫌う国があるのか:鍵となる「公正世界信念」

以前、わが国の人事の世界では「成果主義ブーム」が起こりました。年功的な賃金運用への批判から、高い成果をあげた社員には高い給料で報いるという方針を基本とする成果主義賃金の導入を進めようとする動きが全国的に広がったのです。しかし、このような「…

1940年体制史観で紐解く日本的人事管理

日本企業の人的資源管理はどのようにして形成され、なぜそれが世界的にも優れた企業競争力の獲得につながったのでしょうか。これに関して、野口(2015)は、「戦後の民主主義改革が経済の復興をもたらし、戦後に誕生した企業が高度成長を実現した」とする通説…

日本的人的資源管理「サラリーマン・モデル」はどのように形成されたのか

日本の人事管理は世界的にみても独特な面を持っています。その1つが、「新卒採用」と「終身雇用」がセットになった、いわゆる「サラリーマン・モデル」です。菅原(2014)によれば、このような日本的雇用システムは、学校を卒業すると同時に就職し、1つの会…

イノベーションを生み出し続ける組織の「エコシステム」とは

イノベーションを起こし続ける組織をどうつくりあげ、どうマネジメントしていけばよいのか。これに関して、森川(2015)は、会社にとって一番大切なことは「ヒット商品をつくり続けること」であり、ビジネスの本質は「ユーザーが本当に求めているものを提供し…

組織アイデンティティと組織内実践は相互に織り込まれ、組織変革を阻害する

組織アイデンティティとは、ひとことで言えば「私たちの組織はいったい何者なのか」ということです。このことから、これまでの組織アイデンティティの研究は、組織を構成するメンバーの認知的な働きに焦点を当ててきました。例えば、どのようにして組織アイ…

TEDで学ぶ組織行動論(12)デビッド・ケリー 「自分のクリエイティビティに自信を持つ方法」(日本語字幕付き)

TED Conferenceとは、TED(Technology Entertainment Design)が主催している講演会で、学術・エンターテイメント・デザインなど様々な分野の人物がプレゼンテーションを行なう場です。講演会の内容はインターネット上で無料で動画配信されており、多くの著名…

TEDで学ぶ組織行動論(11) ケリー・マクゴニガル「ストレスを味方にする方法」(日本語字幕付き)

TED Conferenceとは、TED(Technology Entertainment Design)が主催している講演会で、学術・エンターテイメント・デザインなど様々な分野の人物がプレゼンテーションを行なう場です。講演会の内容はインターネット上で無料で動画配信されており、多くの著名…

組織行動論・組織心理学年報ビデオクリップ紹介

組織行動論や組織心理学の最先端の研究同行をまとめて年報として、近年に発刊されたのが、Annual Review of Organizational Behavior and Organizational Psychologyという雑誌です。この雑誌の記事に関連したビデオクリップが、Youtubeで公開されています。…