2014-01-01から1年間の記事一覧

サーバントリーダーシップは職場内に伝染する!

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リーダーシップ類型の1つに、サーバントリーダーシップというものがあります。奉仕型リーダーシップとも呼ばれ、部下を支配するのではなく、部下に奉仕し、部下のニーズを満足させ、部下のポテンシャルを最大限に発揮させようとする精神を重視したリーダー…

新入社員が酒に溺れ体を壊していくメカニズム

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企業に新しく入社する新入社員は、入社前までの「外部の人間」から「会社の一員」になることが期待されます。組織行動論では、新人社員が新しい組織にだんだんと馴染んでいく(適応していく)プロセスを「組織社会化」と呼びます。新入社員が組織に適応し、…

21世紀はスターパフォーマーの時代

よく知られている法則に、パレートの法則とか、80:20の法則があります。これを企業における社員のパフォーマンスでいうならば、企業利益の80%は、20%の社員がたたき出しているというように使われます。このような法則は、現実としてどれくらい真…

社長の「キャリアの幅」は企業の経営戦略にどのような影響を与えるか

企業とトップとして陣頭指揮をとる社長は、どのようなキャリアを歩んできたのでしょうか。Crossland, Zyung, Hiller, & Hambrick (2014)によれば、アメリカにおいて、第二次世界大戦を挟んだ数十年の間は、企業の社長(CEO)のほとんどが、特定の分野のスペシ…

愛社精神2.0

かつて、高度成長を支えた日本企業の強みは、終身雇用制度や年功序列などの雇用形態にもとづきモーレツに働く社員の帰属意識、忠誠心、そしてそれらに支えられた企業の求心力だといわれていました。つまり、日本企業の競争力の一翼を担ってきたのが、社員に…

「長期安定雇用」「解雇規制」「企業が持つ広範で強大な人事権」はワンセットで理解する

日本の会社の正社員の特徴は、「辞令1本でどこにでも行く」というところにあります。職務記述書で定義された特定の仕事を遂行するために雇われている場合と異なり、会社の命令であれば、配置転換も、職種変更も、転勤も、やむをえない理由がない限り、拒む…

サプライチェーンマネジメントで紐解く日本企業の人材マネジメント

サプライチェーンマネジメント(SCM)の1つの目的は、不確実性に対する対処です。例えば、販売面や生産面での不確実性に対処するうえで、社内で過剰な在庫を抱えるようではコスト増となり適切な利益を生み出せないため、企業外のサプライチェーンを含ん…

フォロワーシップ型経営からリーダーシップ型経営へ

過去の日本企業は、高度経済成長とともに驚異的な発展を遂げました。また、国際的にも高い競争力を維持してきました。これら日本企業の強さを支えていたのは、上司ではなく部下の力、あるいはトップマネジメントではなく現場の力だったといえるのではないで…

制度とは経済学的ゲームである

日本の人事管理は、終身雇用制度、年功序列制度で成り立ってきたといわれることがあります。ここでいう制度は、法律や規制で作られたものという意味合いのみならず、日本のビジネス社会で慣習や規範となっている方法という意味合いも含まれています。職能資…

「勇気」を通して職業人としてのアイデンティティを鍛える

2013年に「半沢直樹」というドラマが大ヒットしました。「倍返し」という言葉も流行しました。大ヒットの理由は、主人公の半沢直樹が、銀行という組織で起こる様々な理不尽な辞退に敢然と立ち向かった姿に「勇気」をもらった人が多かったからではないでしょ…

ワーキングマザーになるということ:妊娠した女性社員にとってのアイデンティティの試練

働く人は誰しも、キャリアの節目において、職業上のアイデンティティを変化させる必要性が生じるでしょう。例えば、平社員から管理職になるとき、異なる分野へ移動するとき、海外勤務を命じられた時、転職するとき、独立したときなどです。しかし、私たちが…

自信過剰で過度に楽天的な起業家は結局のところ成功するのか

人間ならば誰しも、物事を判断し、意思決定を行う際にバイアスがかかることが知られています。例えば、行動経済学という学問は、人間が合理的に意思決定するという前提を緩め、判断や意思決定にバイアス(認知バイアス)が介在することを念頭においた研究を…

社内事業創造人材はどのような特徴を持っているのか

戦後著しい成長を遂げてきた日本経済・日本企業ですが、これからの時代、これまで成功してきた日本の基幹産業だけでは、持続的な成長をもたらすことができないのではないかといわれています。つまり、日本の成長のためには、新しい事業や産業がつぎつぎと勃…

起業を成功させるに詳細なビジネスプランは必要か

起業は大変チャレンジングな活動です。起業家は、ビジネスの発明家であり、投資家であり、会計担当者でもあり、管理者であり、リーダーであり、技術専門家であり、マーケターであり、セールスパーソンであるなど、1人もしくは数人で何役もこなす必要がある…

なぜ従業員は積極的に発言しないのか

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最近の組織行動学でもっとも多く研究がなされているトピックの1つが、従業員の発言(ボイス: voice)です。これは、職場における様々な事柄、例えば、業務上の新たなアイデア、業務の改善提案、職場での課題や問題点の指摘などの意見を、上司や同僚に対して言…

これからの人事部に必要なのは権限ではなくリーダーシップである

日本企業は世界的に見てもある意味特殊な雇用システムを持っています。例えば、日本の大企業で特徴的な人材マネジメントといえば、三種の神器と言われる終身雇用、年功序列、企業内労働組合に加え、新卒一括採用、メンバーシップ雇用、遅い昇進、縦と横の異…

英語力強化は、会社としてグローバル化を強力に推進する覚悟を示す「メッセージ」である

日本企業のグローバル化の進展とともに、近年では「グローバル人材」「英語公用語化」などの流行語も飛び交うようになりました。要するに、海外のオペレーションや、国内外のビジネスのコーディネーションなどができる人材が日本企業には不足しているため、…

人事部の役割は「社員のやる気に火をつけること」

企業が成長・繁栄していくために、人事は大きな役割を担っています。企業経営のうち「人」に関するあらゆる場面で、人事はその力を発揮しなければなりません。では、人事部の重要な役割を一言でいうと、どんな形になるでしょうか。 この点に関し、キーパーソ…

優れた経営戦略の鍵は「目標」にある

モンゴメリー(2014)は、優れた経営戦略とは何かを考える上で、会社に真の違いをもたらすのは「目標」であると説きます。モンゴメリーによれば、戦略とは、独自の方法で市場のニーズを満たし、利害関係者に利益をもたらすためのものですが、それは目標があっ…

イチロー選手と行動経済学から学ぶ目標設定法

企業にとっても働く個人にとっても、そして仕事以外の人生においても「目標設定」はもっとも効果的に成果を上げるための手段の一つです。適切な目標を設定できれば、高い成果をあげる可能性が高まります。この点に関して、橋本(2014)は、行動経済学の考え方…

マルチカルチュラル人材の思考パターンと多国籍企業での活躍のあり方

ビジネス環境のグローバル化が進むにつれ、とりわけ複数の国にまたがって事業活動を行う多国籍企業では、複数の文化に精通したマルチカルチュラル人材(多文化人材)が重要な役割を担うと思われます。しかし、一口に多文化人材といっても、その人が経験した…

「包摂風土」の醸成が人材のダイバーシティを活かす

近年、人材のダイバーシティ・マネジメントの重要性がますます高まっています。ダイバーシティ・マネジメントの要諦は、性別、人種、国籍、文化などが異なる多様な人材を採用し、それに伴う多様性(ダイバーシティ)を、企業の強みに変換することです。ダイ…

優秀だが「ものわかりの悪い」人たちを束ね、実力を出させる人材マネジメント

戦後から高度成長期、そして安定成長期にかけて、日本企業が行ってきた人材マネジメントを一言でいうと「ものわかりの良い従業員を前提とした人材マネジメント」だと言えるのではないでしょうか。これは、典型的な日本人であれば、言われてみないとわからな…