2024-01-01から1年間の記事一覧
経済学には、「効率性と公平性のトレードオフ」という基本原理があります。この原理の詳細は小塩(2024)や橘木(2024)をご覧ください。今回は、この基本原理に基づいて、メンバーシップ型雇用とジョブ型雇用それぞれの特徴と比較を行ってみましょう。 経済シス…
昨今、多くの企業が、自社組織のDE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)を促進するためのダイバーシティ推進策を実施しています。ダイバーシティ推進策が狙いとするところは、企業におけるマイノリティ従業員(女性や少数人種、少数民族など…
日本の企業社会はかつてから男性社会だと言われ、ジェンダーギャップ指数においても世界中で最下層グループに属するなど、社会的に重要なジェンダー平等については不名誉な立場にあります。その挽回の狙いも含め、女性活躍推進の動きは加速しつつあるように…
近年の急速なAIの発展とともに、将来AIが人間の仕事を奪っていくのか、それとも、AIと人間はお互いに協力していくようになるのかなど、さまざまな議論がなされています。そのような問いの1つに「AIを活用していくことによって従業員の創造性(クリエイティ…
近年、心理的安全性というコンセプトが一世を風靡し、数多くの企業が職場の心理的安全性を高める施策について頭を巡らせています。心理的安全性は、一般的には「自分の思った通り発言したり行動しても危険が及ばない(安全な)チームの風土」というように定…
風通しの良い組織風土とか透明性の高い経営施策の重要性は、経営学でも再三にわたって指摘されてきました。人的資源管理において透明性が議論になる施策の1つが、従業員が受け取る賃金の決定です。先行研究においても、賃金に関する透明性には、賃金決定プ…
人的資本経営は、実務の世界では「人材を資本と捉えて企業価値の向上につなげる経営手法」だと定義されているようです。例えば、パーソルの調査によると、「近年、大企業を中心に、人材を「資本」と捉えて、採用や育成などの人材施策に投資を行うことで、中…
「人的資本経営」という用語が使われだし、これが一大ブームとなり数年が立ちました。ブームの勢いは衰えを知らず、本ブログとしても無視するわけにはいかなくなってきました。当初から、人的資本経営(ヒューマン・キャピタル・マネジメント)という言葉に…
近年脚光を浴びている「パーパス経営」と切っても切り離せないものが「ビジョン」です。佐宗(2023)によれば、パーパス経営の中でも、ビジョンは、究極的にどこを目指して進んでいくのかという「方向感覚」を示すものであり、企業理念浸透、パーパス経営の推…
近年は、「パーパス経営」がバズワードとなり脚光を浴びています。バズワードになる前も、企業経営におけるミッションや経営理念、経営哲学の重要性は再三指摘されてきました。よって、パーパス経営という言葉を「ミッション経営」とかに置き換えたりしても…
複雑化が進む現代社会では、組織や社会において困難な課題を多くの人々の力を結集して解決していく必要に迫られています。社会全体でいえば、地球環境破壊、社会的不平等、国際紛争、エネルギー、生命倫理など、企業や組織でも、グローバル化、ダイバーシテ…
予期せぬ生じる偶然をチャンスと捉え味方にしていくことは、自分のキャリアを切り開いていく上でとても重要です。そして、この考え方を土台にした理論の代表格が、クランボルツの「計画された偶発性」であったり「セレンディピティ」であったりします。そし…
歴史を変えるような画期的ななビジネスや商品、あるいは革新的なマネジメントの改善などにつながるようなイノベーティブなアイデアはどのように生み出されるのでしょうか。これに関しては、ニュートンのリンゴのように、何かの拍子に突然ひらめく(アイデア…
近年、「行動経済学」が脚光を浴びています。行動経済学とは何かを一言でいうならば「人々の経済行動の理解と説明に焦点を絞った心理学」もしくは、「経済学の衣をまとった心理学」だと言えます。本質的には「人間の判断や意思決定に関する心理学」なのです…