2種類のキャリアの節目

人生やキャリアには、節目があるといいます。ここで節目とは、そこで大きな変化が起こるような転機のことを指します。


このようなキャリアの節目には、2種類あると考えられます。1つ目のキャリアの節目は、社会的な制度や、人間の発達的見地から、だいたいこのあたりで節目が訪れるとわかっているような節目です。例えば、学校を卒業して就職する時期は、間違いなく大きな節目でしょう。また、従来型の、年功序列的な大企業に勤めている場合、ある特定の年齢あたりで、ヒラ社員から管理職に選別される時期が訪れるでしょう。これも、あらかじめ予想できるキャリアの節目だといえます。


それに対して、2つ目のキャリアの節目は、自分から意識的もしくは無意識的に作り出す節目です。したがって、こちらは、社会的あるいは発達的に時期がわかっているようなものではありません。その人が、どのように考え、どのように行動するかによって、訪れるか否か、訪れる時期などが異なるものです。例えば、ある人は、現在の仕事に停滞感や危機感を覚え、大学院に進学して新たなスキルを身につけようとしたり、転職を決意することがあるでしょう。そうすることによって、その人はキャリアの節目を迎えるようになるわけです。あるいは、自分でも意図せざる転職の誘いがあったり、家庭上の出来事があったりして、それが仕事における転機につながることもあるでしょう。これも、意図せざることではありますが、自分から作り出したキャリアの節目といえましょう。


このように、キャリアの節目には、どのような種類の節目が、どのあたりで訪れるかがだいたいわかっているがゆえに、予測もしやすいものと、自らが作り出すものであって、人によっても種類や時期や回数も異なるものと2種類あるということを理解しておくのは重要だと思います。