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組織や人事の分野に限らず、様々な場面において議論が嚙み合わないということがあります。例えば、人事の分野では、成果主義が本当に企業業績を高めるのか、ダイバーシティをどう推進していくのか、などについて活発な議論がなされるものの、賛成派と反対派…
ビジネスの世界では、垂直統合と水平分業という言葉があります。垂直統合は、川上から川下までを1つの組織に取り込むことを指し、従来の日本の大手電機メーカーの組織がその代表例です。それに対し、世界的なトレンドとして起こっている水平分業は、それぞ…
日本企業のマーケティング力はどれだけ優れているのでしょうか。そもそも「マーケティング」とは何でしょうか。私が大学生として就職活動をしていた頃、「マーケティング」という響きに一種の憧れをいだきながらも、入社後に具体的にそのような部署に入り、…
とりわけ1980年代までにおいては、世界中で日本的経営に対する憧れや関心が研究の的となっていました。しかし、バブル崩壊および失われた20年という時期においては、日本的経営への関心は薄れ、その代わりに中国などの新興国に経営学の関心が大きくシフトし…
森口(2013)は、いわゆる日本的人事管理モデルは、製造業大企業を中心に、第一次世界大戦から高度経済成長期にかけて、半世紀にわたる労使の攻防と協調の中で次第に形成されてきたのだと説明します。また、その形成過程は、経済合理性に導かれつつも、急速な…
日本的な人事や労務慣行は、世界的に見ても特殊な特徴を有しています。例えば、長期安定雇用を前提とする新卒一括採用や、企業内でのジョブ・ローテーション、年功序列的な賃金・昇進、企業内労働組合などが挙げられます。そして、これら日本企業の特徴は、…
日本企業の人的資源管理はどのようにして形成され、なぜそれが世界的にも優れた企業競争力の獲得につながったのでしょうか。これに関して、野口(2015)は、「戦後の民主主義改革が経済の復興をもたらし、戦後に誕生した企業が高度成長を実現した」とする通説…
日本の人事管理は世界的にみても独特な面を持っています。その1つが、「新卒採用」と「終身雇用」がセットになった、いわゆる「サラリーマン・モデル」です。菅原(2014)によれば、このような日本的雇用システムは、学校を卒業すると同時に就職し、1つの会…
イノベーションを起こし続ける組織をどうつくりあげ、どうマネジメントしていけばよいのか。これに関して、森川(2015)は、会社にとって一番大切なことは「ヒット商品をつくり続けること」であり、ビジネスの本質は「ユーザーが本当に求めているものを提供し…
組織行動論や組織心理学の最先端の研究同行をまとめて年報として、近年に発刊されたのが、Annual Review of Organizational Behavior and Organizational Psychologyという雑誌です。この雑誌の記事に関連したビデオクリップが、Youtubeで公開されています。…
経験豊富な経営幹部として新たにグーグルの経営に参加したシュミットとローゼンバーグ(2014)は、グーグルに入社して「私たちが20世紀に学んだことのほとんどは間違っており、それを根本から見直す時期が来ている」と実感し、「グーグルで成功するには、ビ…
人間の顔の特徴からリーダーとしての成功を予測することができるかという問いに真面目に答えようとした研究があります。いってみれば、リーダーシップの人相学です。結論の一部を先取りすると、なんと、大学の卒業アルバムの顔写真から、数十年後のリーダー…
新しい会社に入社するとき、とりわけ新社会人として企業に入社するときは、将来の自分の活躍を期待して前途洋洋とした気持ちでいるかもしれません。しかし、新井(2005)は、「入社時点であなたのキャリアパスは決められている」といいます。それは何故かとい…
企業の不祥事は後を絶ちません。食品偽装、リコール隠し、情報漏えいなど、次から次へと発覚します。一方、企業が自然災害や犯罪などによって被害を受けることも次々と起こります。ハッカー攻撃による被害、地震災害や火事災害、海外での民衆の暴動による損…
よく知られている法則に、パレートの法則とか、80:20の法則があります。これを企業における社員のパフォーマンスでいうならば、企業利益の80%は、20%の社員がたたき出しているというように使われます。このような法則は、現実としてどれくらい真…
企業とトップとして陣頭指揮をとる社長は、どのようなキャリアを歩んできたのでしょうか。Crossland, Zyung, Hiller, & Hambrick (2014)によれば、アメリカにおいて、第二次世界大戦を挟んだ数十年の間は、企業の社長(CEO)のほとんどが、特定の分野のスペシ…
かつて、高度成長を支えた日本企業の強みは、終身雇用制度や年功序列などの雇用形態にもとづきモーレツに働く社員の帰属意識、忠誠心、そしてそれらに支えられた企業の求心力だといわれていました。つまり、日本企業の競争力の一翼を担ってきたのが、社員に…
日本の会社の正社員の特徴は、「辞令1本でどこにでも行く」というところにあります。職務記述書で定義された特定の仕事を遂行するために雇われている場合と異なり、会社の命令であれば、配置転換も、職種変更も、転勤も、やむをえない理由がない限り、拒む…
サプライチェーンマネジメント(SCM)の1つの目的は、不確実性に対する対処です。例えば、販売面や生産面での不確実性に対処するうえで、社内で過剰な在庫を抱えるようではコスト増となり適切な利益を生み出せないため、企業外のサプライチェーンを含ん…
過去の日本企業は、高度経済成長とともに驚異的な発展を遂げました。また、国際的にも高い競争力を維持してきました。これら日本企業の強さを支えていたのは、上司ではなく部下の力、あるいはトップマネジメントではなく現場の力だったといえるのではないで…
日本の人事管理は、終身雇用制度、年功序列制度で成り立ってきたといわれることがあります。ここでいう制度は、法律や規制で作られたものという意味合いのみならず、日本のビジネス社会で慣習や規範となっている方法という意味合いも含まれています。職能資…
人間ならば誰しも、物事を判断し、意思決定を行う際にバイアスがかかることが知られています。例えば、行動経済学という学問は、人間が合理的に意思決定するという前提を緩め、判断や意思決定にバイアス(認知バイアス)が介在することを念頭においた研究を…
戦後著しい成長を遂げてきた日本経済・日本企業ですが、これからの時代、これまで成功してきた日本の基幹産業だけでは、持続的な成長をもたらすことができないのではないかといわれています。つまり、日本の成長のためには、新しい事業や産業がつぎつぎと勃…
起業は大変チャレンジングな活動です。起業家は、ビジネスの発明家であり、投資家であり、会計担当者でもあり、管理者であり、リーダーであり、技術専門家であり、マーケターであり、セールスパーソンであるなど、1人もしくは数人で何役もこなす必要がある…
日本企業は世界的に見てもある意味特殊な雇用システムを持っています。例えば、日本の大企業で特徴的な人材マネジメントといえば、三種の神器と言われる終身雇用、年功序列、企業内労働組合に加え、新卒一括採用、メンバーシップ雇用、遅い昇進、縦と横の異…
日本企業のグローバル化の進展とともに、近年では「グローバル人材」「英語公用語化」などの流行語も飛び交うようになりました。要するに、海外のオペレーションや、国内外のビジネスのコーディネーションなどができる人材が日本企業には不足しているため、…
企業が成長・繁栄していくために、人事は大きな役割を担っています。企業経営のうち「人」に関するあらゆる場面で、人事はその力を発揮しなければなりません。では、人事部の重要な役割を一言でいうと、どんな形になるでしょうか。 この点に関し、キーパーソ…
モンゴメリー(2014)は、優れた経営戦略とは何かを考える上で、会社に真の違いをもたらすのは「目標」であると説きます。モンゴメリーによれば、戦略とは、独自の方法で市場のニーズを満たし、利害関係者に利益をもたらすためのものですが、それは目標があっ…
企業にとっても働く個人にとっても、そして仕事以外の人生においても「目標設定」はもっとも効果的に成果を上げるための手段の一つです。適切な目標を設定できれば、高い成果をあげる可能性が高まります。この点に関して、橋本(2014)は、行動経済学の考え方…
戦後から高度成長期、そして安定成長期にかけて、日本企業が行ってきた人材マネジメントを一言でいうと「ものわかりの良い従業員を前提とした人材マネジメント」だと言えるのではないでしょうか。これは、典型的な日本人であれば、言われてみないとわからな…