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明治維新のリーダーシップと柔構造組織

リーダーシップや組織を語る上でしばしば議論になるのは、日本の強みを生かしたリーダーシップや組織とは何かという視点です。確かに、個が強い欧米の「肉食系」のリーダーシップに脚光が当たりがちな反面、日本のリーダーシップや組織が軟弱に見えますが、…

「ニッポン株式会社モデル」からの脱却

日本的経営、日本的雇用慣行の成功と限界、そして弊害が指摘されるようになってからずいぶんと時間が経ちました。しかし、わが国の企業は、いまだに新たな経営、新たな人的資源管理のあり方を打ち出せずにいるようです。ネスレ日本のトップである高岡(2013)…

グローバル化は人材育成の絶好のチャンスである

日本企業の経営において「従業員の雇用の安定」は大きな比重を占めてきたといえましょう。例えば、日本におけるグループ企業経営では、純粋な事業目的において多くのグループ会社を傘下に持つことに加え、社内の従業員の雇用安定のための受け皿としてグルー…

ブラック企業現象を生み出す土壌となった日本的雇用システム

近年、 労働者を酷使・選別し、使い捨てにする「ブラック企業」の存在が社会問題化しています。しかし、濱口(2013)によれば、ブラック企業現象は、本来は日本の競争力を支えてきたと考えられる雇用システムが土壌となって生み出されてきた、ある意味「日本特…

日本における解雇規制の論理

日本は、正社員の解雇規制が厳しい国と言われています。企業が、いったん雇った正社員を簡単に解雇することに対しては強い規制が敷かれているために、正社員を簡単に解雇できる社会にはなっていないということです。解雇規制の緩和をめぐる論議もなされてい…

「オペレーションのグローバル化」から「マネジメントのグローバル化」へ

「グローバル人材」や「人事のグローバル化」といった、グローバル経営に関するトピックが2010年ごろから頻繁に叫ばれるようになりました。しかし、日本はもともと加工貿易国であり、海外市場なしには存在しえない企業も多かったはずです。さらに、円高の進…

日本企業のグローバル化の鍵は「空気が読める」外国人社員を育成することか

近年、グローバル化の波はとどまるところを知らず、日本企業も、人材のグローバル化、海外進出拠点経営の現地化、外国人従業員の採用、英語公用語化への議論など、人材マネジメントのグローバル化への対応に追われています。日本全体でも「グローバル人材」…

伝説のサービスを生み出すために人材リスクマネジメントを行おう

「ビジネスパートナー」というのが人事部に求められる役割の1つになりつつあります。現代においては、人事部はもはや労務管理のみを行う部署ではありません。企業のビジネスそのものの業績向上にインパクトを与える部門であるべきだという意味です。そのた…

権力を得ることのほうがリーダーシップを身につけることよりも重要なワケ

著名な経営者の書いたリーダーシップの本はよく売れるし、経営学においてもリーダーシップのトピックはもてはやされます。多くの人がビジネスで成功するためにリーダーシップ能力を身につけたいと思うことでしょう。しかし、フェファー(2011)は、こうしたリ…

様々なステークホルダーと話ができる人事部を目指そう

企業の人事部の役割、そして人事部員に求められる能力とは何でしょうか。Ulrichら(2009)は、その1つの答えとして、企業を取り巻くステークホルダー(利害関係者)に対して胸を張って対応できることの重要性を示唆します。企業の人事部門は、企業の人材マネ…

日本の人事部はどう発展してきたのか

経営のグローバル化など環境が変化する中、日本企業の人事部の存在意義と役割が問われています。とりわけ、終身雇用、年功序列、企業内労働組合のように世界的に見ても特徴的な雇用システムを持つ日本企業が、経営をグローバル化させ、国境をまたぐかたちで…

戦略的人材セグメンテーションのススメ

企業が抱える人材をタイプ別に分類して異なる人材マネジメントを行うという考え方は決して新しいものではありません。わが国でも1995年には日経連が「雇用ポートフォリオ論」を発表し、総合職、基幹正社員のような「長期蓄積能力活用型グループ」、専門職な…

巨大なムラ社会的グローバル企業としてのトヨタ

日本の企業はムラ社会的で、共同体的であるという指摘をしばしば耳にします。島田(2013)も、現在の日本は企業社会であり、日本企業が近代社会の担い手となってきたのであり、そのことが日本の経済的豊かさを支えていることを示唆しています。そういう意味で…

最強のビジョナリー・カンパニーをつくる方法

わが国でも「ビジョナリー・カンパニー」という本がベストセラーとなり、企業が「ビジョナリー」であることへの関心は高いと思われます。今回紹介するのは、この一連の書籍の著者の話ではなく、科学的証拠(エビデンス)に基づいた経営(エビデンス・ベースト…

経営理論を学んで最高の人生を実現する

経営学は主に会社経営に関する研究分野なのですが、ハーバードビジネススクールで経営戦略を中心に教鞭をとり、自らも「イノベーションのジレンマ」理論によって経営学に多大な貢献をしているクリステンセン(2012)は、経営学を学ぶことで、幸福な人生を送る…

企業における英語公用語化とシンガポール型マネジメントモデル

近年、日本企業においても経営のグローバル化やグローバル人材といったテーマが最優先事項となりつつある中、社内の公用語を日本語ではなく英語にする企業もいくつか出てきています。これについては賛否両論があるようですが、批判的な意見のほうが多いよう…

ブラック企業による「カウンセリング・アウト」とは

外資系企業でよく聞く言葉に「アップ・オア・アウト」というのがあります。これは、昇進できなければ退職しないといけないというような仕組みを指します。それに対して、いわゆるブラック企業の1つで行われている「カウンセリング・アウト」という仕組みが…

フェイスブックに学ぶ人材マネジメント

ソーシャルメディアの時代となり、SNS(Social Networking Sites)が一般化し、わが国でもmixiやtwitterやfacebookなどのSNSが急速に会員数を増やし、日頃のコミュニケーションツールとして使われています。今回は、フェイスブックを例にとり、多くの人々がフ…

人事を行う日本の人事部、人事を助ける外資系の人事部

ビジネスの世界で通説としてあるのが「日本企業では人事部の社内での権力が強く、外資系企業では人事部の社内での権力は弱い」というものです。日本ではしばしば人事部に配属になることは「花形」であり「出世コース」の1つだと言われることもあります。実…

グローバル本社と日本本社

近年、日本企業のグローバル化が急務となっていますが、なかなか真のグローバル企業に脱皮できない日本企業が多いという話をよく耳にします。経営は依然として日本人社員が中心で、日本語で行われ、日本的な経営から脱却できないというような話です。そして…

地球規模での会社経営に必要な人材マネジメント

チュルパンと高津(2012)は、グローバル経営すなわち「地球規模での会社経営」で必要なのは、「地球規模の幅広い視野を持ち、長期的に事業を構想する力」と、「文化や言語を超えてその構想を実現するマネジメント力」だといいます。そして残念ながら日本企業…

日本的経営の原型は天皇制にあるのか

日本的経営といっても様々な要素がありますが、その中でもいわゆる「みこし経営」について考えてみましょう。欧米における企業経営がトップダウンなのに対し、日本企業はボトムアップであるといわれることがあります。別の言い方をすれば、日本企業の経営ト…

[IHRM人間を信用しないアメリカ、人間を信用しすぎる日本

組織マネジメントや社会経済システム全般に関して日米を比較してみると、人間を信用しないアメリカ、人間を信用しすぎる日本という対比が見えてきます。このことについて少し説明してみます。 まず、アメリカの企業経営システム、コーポレートガバナンス(企…

マズローの欲求階層説が逆ピラミッドになるケース

マズローの欲求階層説といえば、モチベーションの分野の中では一般的に最も知られている欲求モデルだといえましょう。マズローのモデルでは、欲求階層がピラミッド型をしており、最も動物的な欲求から最も人間的な欲求へと欲求が昇華していく様子を示します…

働きやすい環境が生んだ長時間労働問題

わが国においては、従来から長時間労働が大きな問題となってきました。長時間労働が改善されないことが、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)や、女性活用などが進展しない要因となっているとも考えられています。この長時間労働問題は、皮肉にも日本…

人事のプロが語る「フェア・マネジメント」

労務行政研究所(編) (2011)では、人事のプロから働く人たちへの時代を生き抜くメッセージが収録されています。その中から、「フェア・マネジメント」に関するコメントを紹介したいと思います。 ソニーの元人事部統括部長の桐原氏は、ずっと「フェアネス(公…

フェア・マネジメントの方法

日本の会社が戦略や人事改革、組織改革などで思い切った手を打てないのは、フェアネスに関する危惧からだと思います。思い切った手を打つ場合、従業員すべてにとってポジティブな結果を生む保障はありません。場合によっては、特定の従業員にとって残念な結…

フェア・マネジメントのススメ

スポーツの世界でもっとも大切なことの1つは、フェア・プレーの精神です。フェア・プレーなくしては、スポーツを行う選手も、それを観戦する人も、スポーツを楽しみ、それによって幸福な気分になることなどできません。スポーツマンシップとしてフェアであ…

仕事観や会社のイメージは日米でどう違うか

わが国でも、日本企業と外資系企業とでは、職場の雰囲気や社員の特徴がかなり違うと感じることがあります。例えば、日本企業で正社員として働いている場合、「明日に突然、解雇されるかもしれない」と考えるのはほぼ非現実的でしょう。それだけ、雇用の安定…

人事部員に適した人はどのような性格をしているのか

「企業は人なり」「人は最重要の経営資産」「モノ作りは人づくり」など、企業の人材マネジメントをつかさどる重要な部署が人事部門です。そこで働く人事プロフェッショナル、日本的にいえば「人事部員」は、どのような性格のひとが向いているのでしょうか。…