HRM

採用や就職活動でもっと内発的モティベーションを強調すべき理由

就職活動において、求職者は自分の長所をアピールしてよい就職先を勝ち取りたいことでしょう。同様に、採用活動において企業はいかに自社が魅力的な職場であるかをアピールして優秀な人材を獲得したいことでしょう。自分の長所を売り込む際の2大ポイントと…

ワーク・エンゲージメント革命は何故起こったのか

日本の人事の実業界では、戦後高度成長期の年功序列型人事から、バブル崩壊後の成果主義ブームを経て、近年の働き方改革やプレミアムフライデー運動と歩調を同じくして、ワーク・エンゲージメント革命が進展しつつあるように見えます。ワーク・エンゲージメ…

「透明性の錯覚」が人事評価でのネガティブ・フィードバックを阻害する

人事評価(人事考課、人事査定、業績評価)の目的の1つは従業員のパフォーマンスの向上です。この目的を実現するためには、評価後の面談などを通じて評価結果を本人に正しくフィードバックすることが重要です。フィードバックによって従業員の職務遂行にお…

ラズロ・ボック氏インタビュー:グーグルの人事管理

今回は、「ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える」の著者でもあり、グーグルの人事担当責任者でもあるラズロ・ボック氏のインタビュー映像を紹介します。9分ちょっとのインタビューで、ボック氏はグーグルがどのように人事管理を行ってい…

場当たり的な採用面接は役立たないどころか害になる

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学術的・科学的アプローチを重視する採用学では、採用面接において、あらかじめ質問を標準化して設定しておく「構造化面接」の優位性が実証されており、事前に質問内容を標準化したりすることなく、状況に応じて場当たり的な質問を投げかける「非構造化面接…

シグナリング・ゲームとして理解する採用マーケットのダイナミズム

HRM

毎年、企業は優秀な人材を獲得するための採用活動に苦慮しています。同様に、求職者側もより良い企業に就職できるよう対策にいそしんでいます。採用学では、企業は科学的な手法を用いて優秀な人材を獲得できる採用手段を開発すべきであることを示唆します。…

日本の企業組織の本当の強みはどこにあるのか

とりわけ1980年代までにおいては、世界中で日本的経営に対する憧れや関心が研究の的となっていました。しかし、バブル崩壊および失われた20年という時期においては、日本的経営への関心は薄れ、その代わりに中国などの新興国に経営学の関心が大きくシフトし…

高度成長期に「完成」した日本型人事管理モデル

森口(2013)は、いわゆる日本的人事管理モデルは、製造業大企業を中心に、第一次世界大戦から高度経済成長期にかけて、半世紀にわたる労使の攻防と協調の中で次第に形成されてきたのだと説明します。また、その形成過程は、経済合理性に導かれつつも、急速な…

学校社会の特徴を色濃く反映する日本企業

日本的な人事や労務慣行は、世界的に見ても特殊な特徴を有しています。例えば、長期安定雇用を前提とする新卒一括採用や、企業内でのジョブ・ローテーション、年功序列的な賃金・昇進、企業内労働組合などが挙げられます。そして、これら日本企業の特徴は、…

企業は「スター社員」をどのように理解し、どのように活用すればよいのか

企業に対して並々ならぬ価値をもたらす「スター社員」「エース社員」「看板社員」などと呼ばれる社員の存在は、企業業績に大きく影響します。業界によっては、少数のスター社員が企業収益の大半をたたき出すことさえ考えられる時代です。したがって、スター…

1940年体制史観で紐解く日本的人事管理

日本企業の人的資源管理はどのようにして形成され、なぜそれが世界的にも優れた企業競争力の獲得につながったのでしょうか。これに関して、野口(2015)は、「戦後の民主主義改革が経済の復興をもたらし、戦後に誕生した企業が高度成長を実現した」とする通説…

日本的人的資源管理「サラリーマン・モデル」はどのように形成されたのか

日本の人事管理は世界的にみても独特な面を持っています。その1つが、「新卒採用」と「終身雇用」がセットになった、いわゆる「サラリーマン・モデル」です。菅原(2014)によれば、このような日本的雇用システムは、学校を卒業すると同時に就職し、1つの会…

人事システム・人事制度入門

新しい会社に入社するとき、とりわけ新社会人として企業に入社するときは、将来の自分の活躍を期待して前途洋洋とした気持ちでいるかもしれません。しかし、新井(2005)は、「入社時点であなたのキャリアパスは決められている」といいます。それは何故かとい…

21世紀はスターパフォーマーの時代

よく知られている法則に、パレートの法則とか、80:20の法則があります。これを企業における社員のパフォーマンスでいうならば、企業利益の80%は、20%の社員がたたき出しているというように使われます。このような法則は、現実としてどれくらい真…

愛社精神2.0

かつて、高度成長を支えた日本企業の強みは、終身雇用制度や年功序列などの雇用形態にもとづきモーレツに働く社員の帰属意識、忠誠心、そしてそれらに支えられた企業の求心力だといわれていました。つまり、日本企業の競争力の一翼を担ってきたのが、社員に…

「長期安定雇用」「解雇規制」「企業が持つ広範で強大な人事権」はワンセットで理解する

日本の会社の正社員の特徴は、「辞令1本でどこにでも行く」というところにあります。職務記述書で定義された特定の仕事を遂行するために雇われている場合と異なり、会社の命令であれば、配置転換も、職種変更も、転勤も、やむをえない理由がない限り、拒む…

これからの人事部に必要なのは権限ではなくリーダーシップである

日本企業は世界的に見てもある意味特殊な雇用システムを持っています。例えば、日本の大企業で特徴的な人材マネジメントといえば、三種の神器と言われる終身雇用、年功序列、企業内労働組合に加え、新卒一括採用、メンバーシップ雇用、遅い昇進、縦と横の異…

人事部の役割は「社員のやる気に火をつけること」

企業が成長・繁栄していくために、人事は大きな役割を担っています。企業経営のうち「人」に関するあらゆる場面で、人事はその力を発揮しなければなりません。では、人事部の重要な役割を一言でいうと、どんな形になるでしょうか。 この点に関し、キーパーソ…

「ニッポン株式会社モデル」からの脱却

日本的経営、日本的雇用慣行の成功と限界、そして弊害が指摘されるようになってからずいぶんと時間が経ちました。しかし、わが国の企業は、いまだに新たな経営、新たな人的資源管理のあり方を打ち出せずにいるようです。ネスレ日本のトップである高岡(2013)…

日本企業のグローバル化の鍵は「空気が読める」外国人社員を育成することか

近年、グローバル化の波はとどまるところを知らず、日本企業も、人材のグローバル化、海外進出拠点経営の現地化、外国人従業員の採用、英語公用語化への議論など、人材マネジメントのグローバル化への対応に追われています。日本全体でも「グローバル人材」…

伝説のサービスを生み出すために人材リスクマネジメントを行おう

「ビジネスパートナー」というのが人事部に求められる役割の1つになりつつあります。現代においては、人事部はもはや労務管理のみを行う部署ではありません。企業のビジネスそのものの業績向上にインパクトを与える部門であるべきだという意味です。そのた…

様々なステークホルダーと話ができる人事部を目指そう

企業の人事部の役割、そして人事部員に求められる能力とは何でしょうか。Ulrichら(2009)は、その1つの答えとして、企業を取り巻くステークホルダー(利害関係者)に対して胸を張って対応できることの重要性を示唆します。企業の人事部門は、企業の人材マネ…

日本の人事部はどう発展してきたのか

経営のグローバル化など環境が変化する中、日本企業の人事部の存在意義と役割が問われています。とりわけ、終身雇用、年功序列、企業内労働組合のように世界的に見ても特徴的な雇用システムを持つ日本企業が、経営をグローバル化させ、国境をまたぐかたちで…

戦略的人材セグメンテーションのススメ

企業が抱える人材をタイプ別に分類して異なる人材マネジメントを行うという考え方は決して新しいものではありません。わが国でも1995年には日経連が「雇用ポートフォリオ論」を発表し、総合職、基幹正社員のような「長期蓄積能力活用型グループ」、専門職な…

巨大なムラ社会的グローバル企業としてのトヨタ

日本の企業はムラ社会的で、共同体的であるという指摘をしばしば耳にします。島田(2013)も、現在の日本は企業社会であり、日本企業が近代社会の担い手となってきたのであり、そのことが日本の経済的豊かさを支えていることを示唆しています。そういう意味で…

なぜ海外赴任経験者は会社を辞めやすいのか

グローバル化が急速に進展する中、企業にとって海外赴任社員が果たす役割の重要性は日に日に高まっています。しかし、現地にうまく適応し、現地で活躍してくれる海外派遣人材ほど、赴任期間を終了して帰国したあとに会社を辞めてしまうリスクが高まっている…

真の戦略的人材マネジメントとは何か:ピボタル分析の事例

HRM

企業の戦略目標とは、他社との戦いに勝利しながら、持続的に企業目標を実現していくための基本方針だと考えられます。企業の戦略目標を人材面からサポートするのが、戦略的人材マネジメントです。しかし、「戦略的」という言葉が多分に心地よいものであるた…

成果主義はうまくいったのか

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1990年代後半から2000年代前半にかけて、わが国の人事制度改革の主役となったのが「成果主義」です。多くの企業が年功的な人事制度を改めて成果主義を導入するというニュースが日本中を駆け巡るほどブームとなり、ブームの後半には、成果主義反対論や成果主…

多国籍企業の海外拠点における人材マネジメントはどうあるべきか

経済のグローバル化の進展にともない、わが国での多くの企業が海外に拠点を設けるようになり、いわゆる多国籍企業になってきました。多国籍企業経営の難しいところは、制度的・文化的環境の異なる国々を跨いだかたちで、企業としてのグローバルな事業を円滑…

地球規模での会社経営に必要な人材マネジメント

チュルパンと高津(2012)は、グローバル経営すなわち「地球規模での会社経営」で必要なのは、「地球規模の幅広い視野を持ち、長期的に事業を構想する力」と、「文化や言語を超えてその構想を実現するマネジメント力」だといいます。そして残念ながら日本企業…