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日本企業はコミットメント型人事管理からコラボ型人事管理への転換を図ったのか

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日本企業の人事の歴史的な趨勢を見ると、表層的、具体的には、終身雇用や年功序列型運用の人事制度を、より実力主義、成果主義的なものに変換していくと同時に、非正規雇用を増大させることによる労務費削減も行っていったと理解することができましょう。し…

フェア・マネジメントの指針にも影響する従業員のフェアネス監視行動

企業が従業員に対する公正(フェア)な処遇を実現しようとするフェア・マネジメントにおいて大切なのは、従業員の態度や行動に影響を及ぼすのは、客観的にフェアかどうかではなく、本人がそれをフェアだと知覚しているかどうかということです。そもそも、誰…

インド企業に学ぶ人材マネジメント

飛躍的成長を遂げていながら、その経営手法があまり注目されてこなかった企業として、インド企業があります。シンほか(2011)は、成長を支えるインド企業の経営を「インド・ウェイ」と名付けて紹介しています。今回はその中でも、インド企業の人材マネジメン…

ワーク・ライフ・バランス実現への壁

わが国では、育児休暇や短時間勤務などの制度導入をはじめとするワーク・ライフ・バランスの施策推進が叫ばれてきましたが、長時間労働問題なども解消にいたらず、現実問題としてはワーク・ライフ・バランスが十分に普及できていないといえます。そこには、…

事業構造の変化で人材が入れ替わる欧米企業、入れ替わらない日本企業

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変化の激しい現代において、企業をとりまくビジネス環境が変化すれば、それに対応すべく自社の戦略や事業構造を変化させなければなりません。この戦略や事業構造の転換に伴う人材の動きについては、欧米と日本でかなり特徴が異なります。 欧米企業の特徴は、…

「学校から職場へのスムーズな移行」の本質

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わが国では、少なくとも1990年ごろまでは、新卒一括採用による「学校から職場へのスムーズな移行」が雇用の特徴とされてきました。大企業を中心に、毎年4月入社の学卒新入社員を職務を特定することなく一括採用することによって、学生にとってみれば、学校…

なぜ日本企業では仕事や成果と賃金がリンクしていないのか

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濱口(2011)は、他の国と比べてもかなり特殊な日本的人事制度のあらゆる性格を生み出す原型となっているのが「職務限定のないメンバーシップ契約」であるという明快な視点を提供しています。つまり欧米などの他国では、職務要件に基づいて仕事を遂行すること…

人事のプロが語る「フェア・マネジメント」

労務行政研究所(編) (2011)では、人事のプロから働く人たちへの時代を生き抜くメッセージが収録されています。その中から、「フェア・マネジメント」に関するコメントを紹介したいと思います。 ソニーの元人事部統括部長の桐原氏は、ずっと「フェアネス(公…

日本の会社員が辞令1つでどこでもいくのは何故か

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日本の会社員(古臭い言葉でいえばサラリーマン)は、会社からの辞令1つでどこにでも行く存在であるとみられています。大きな会社では、人事異動というのは1つのドラマであり、辞令が下りたら従わざるを得ません。また、残業をはじめとする長時間労働につ…

フェア・マネジメントの方法

日本の会社が戦略や人事改革、組織改革などで思い切った手を打てないのは、フェアネスに関する危惧からだと思います。思い切った手を打つ場合、従業員すべてにとってポジティブな結果を生む保障はありません。場合によっては、特定の従業員にとって残念な結…

フェア・マネジメントのススメ

スポーツの世界でもっとも大切なことの1つは、フェア・プレーの精神です。フェア・プレーなくしては、スポーツを行う選手も、それを観戦する人も、スポーツを楽しみ、それによって幸福な気分になることなどできません。スポーツマンシップとしてフェアであ…

人事部員に適した人はどのような性格をしているのか

「企業は人なり」「人は最重要の経営資産」「モノ作りは人づくり」など、企業の人材マネジメントをつかさどる重要な部署が人事部門です。そこで働く人事プロフェッショナル、日本的にいえば「人事部員」は、どのような性格のひとが向いているのでしょうか。…

日本的組織・人事の成功要因

過去、日本的経営の3種の神器として「終身雇用」「年功序列」「企業内労働組合」を指摘したのは、ジェームズ・アベグレンでした。しかし、これらのように過去の日本企業の強さを支えた特徴が、機能不全を迎えていることは多くの識者によって指摘されてきま…

日本の大企業における出世の法則

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わが国では、とりわけ昔の時代は、大企業に入社することは人生の成功を示唆していました。しかし、大切なのは、大企業のなかで課長、部長、取締役というように出世していくことです。大企業で出世する人すなわち「エラくなる人」はどんな人なのでしょうか。…

日本企業が目指すべき経営・人事のグローバル化とは

近年、企業経営のグローバル化、および人材のグローバル化が頻繁に叫ばれるようになってきました。以前から、多くの企業がグローバルなレベルで競争していかざるをえないことはわかっていたことであり、ここ数年で急激に経営や人事のグローバル化がキーワー…

悪いニュースはどれだけ採用活動にダメージを与えるか

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企業の採用において重要なのは、いかにして学生や求職者に自社についての良いイメージを持ってもらうかということでしょう。学生や求職者は、限られた情報から、特定の企業についての初期イメージを形成します。そして、そういった初期企業イメージは「第一…

日本企業における「共同体的仕事配分」

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日本的経営の大きな特徴として「共同体的仕事配分」というのがあります。これは、欧米のように、職務記述所を中心として個々人が明確に定義された職務を遂行する方法と大きく異なります。これが、採用から配置、教育、評価、報酬などの人事管理の仕組みにお…

従業員の助け合いを生み出す人事管理とは

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組織が協働システムである以上、企業で働く従業員同士が助け合うことが、企業業績にとって非常に重要です。わが国においても、成果主義の普及が従業員同士の協力関係を阻害してしまったという議論もあります。では、従業員が同僚に対して援助行動を積極的に…

年功的人事、成果主義的人事とフェアネス

わが国の人事管理における、伝統的な年功的運用と、近年普及した成果主義とでは、従業員と組織との交換関係(employee-organization relationshp: EOR)において異なるモードをとっており、年功的運用は、社会的交換関係(social exchange relationship)をより…

人材マネジメントの理想系

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私たちは、自分のポテンシャルを最大限に発揮している状態であるとき、ある種の「至高体験」を味わうと言われています。自分のポテンシャルを最大限に出し切っている状態とは、自分の能力よりもちょっと高めの、チャレンジングな課題に立ち向かっているとき…

社会的交換理論で人事管理を読み解く

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従業員と組織がお互いに与え合う交換関係(Employee-organization relationship: EOR)の理論的基盤にもなっているものに、社会的交換理論(Social exchange theory)があります。今回は、社会的交換理論でも議論される、経済的交換関係(Economic exchange relat…

成果主義へのシフトを読み解く

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企業の人事管理は、従業員と組織がお互いに与え合う交換関係(Employee-organization relationship: EOR)のあり方を規定する仕組みであると考えることはいろいろと役に立ちます。 この枠組みを用いて、日本で見られた年功的人事運用から成果主義人事へのシフ…

人事管理上重要な従業員と組織との交換関係

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企業の人事管理を考えるうえで重要になってくる枠組みとして、従業員と組織との交換関係があります。学術的には、Employee-organization relationship (EOR)と呼ばれます。 結局のところ、個人と組織との関係は、何かを与え合う交換関係にあるということです…

企業の人事管理と高業績人材、低業績人材の離職

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アメリカのように雇用の流動化が進んでいる国では、従業員が自発的に離職する現象がよく見られます。企業としては、従業員の自発的離職が避けられないのであれば、高業績人材にはできるだけとどまってほしく、低業績人材に去ってもらうのが望ましいと考える…

Jモードという大学と仕事の関係

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日本における雇用慣行は、世界的に見ても特徴的な部分がいくつかありますが、その中でも最たるものが、新卒一括採用という慣行です。「ジョブなきメンバーシップ」を基本原理とする日本企業の雇用形態では、メンバーシップの入り口となる最も重要な採用活動…

日本における正社員・非正社員の対称性

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本田(2009)や濱口(2009)は、日本の労働市場では、正社員と非正社員の世界が、相対立する原理によって成り立っているという点を指摘します。それは、正社員が「ジョブなきメンバーシップ」を原理とする雇用であるのに対し、非正社員が「メンバーシップなきジ…

日本的処遇・労使関係の特徴

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濱口(2009)によれば、日本的雇用慣行の世界的に見た大きな特徴は、職務と結びついた雇用ではなく、組織へのメンバーシップ雇用でした。たとえば、採用でももっとも重要な「新卒採用」の場合、職務を特定したうえで定員を設定するのではなく、組織内のいかな…

日本的雇用形態の本質

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日本企業、とくに大企業の人事管理の他国と比較した場合の大きな特徴などのようなところにあるのでしょうか。それに関して、濱口(2009)は、日本企業における正社員を対象とする人事管理の特徴として、「ジョブなきメンバーシップ」の雇用形態を挙げています…

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